昨日、来月に結婚する姪とその婚約者とともに中古マンションの下見に行ってきた。
姪は昨年11月に結婚予定だったが、コロナ下で延期していたが、妊娠が判明したため、来月に籍だけは入れることになった。姪といっても、子供のいない我々夫婦には娘みたいなものである。頼まれれば嫌とは言えない。
訪問したのは、根岸線の駅からバスで10分程度の住宅街にたつ築25年の5階建て50戸くらいのマンションで、2LDK70平米未満の部屋であった。
婚約者の車でマンションについたところ、不動産会社の担当の宅建士が待っていた。
宅建士に案内されてマンションのエントランスに入ったところ、なにか違和感を感じた。目隠しもない開放廊下がちょっと薄暗いのである。よく見ると廊下の天井の蛍光灯に蜘蛛の巣の跡を見つけた。
部屋に入って、中古マンションチェックシートに従って調べ始めた。担当の宅建士は何をしているのだろうという顔だったが、無視して続けた。部屋はリフォーム仕立てで概ねきれいだった。部屋のクロスの貼り方が雑だったので、宅建士に言うと修繕させますとのことだった。専有部分の部屋はおおむね合格点であったが、一つ残念な点があった。それは、部屋の電気がいまだに30Aでしかなかったのである。これだと、LDKに設置する15畳用の多機能エアコンは使えない。40Aのエアコン専用コンセントが必要である。
部屋をチェックし、メーターボックスを見た。ここは漏水が一番起こる場所でチェックは欠かせない。そしていわゆる温水機が設置してから何年たってるかもチェックしておきたい。古いものは経年化による故障や漏水、ひどいときはガス漏れ事故を起こしかねない。設置から10年以上たっているものは交換したほうが燃費の面からも良い場合が多い。
専有部分のチェックが終わったので、管理人室におり、管理人の話を聞いた。
いつ、最後の大規模修繕がなされ、どのようなところを修繕したか、駐車場や駐輪場の状況はどうなのかである。その際、先程感じた違和感について理由がわかった。このマンションは管理人による日常清掃だけで、ブラッシングなどの機械清掃はやっていないからだった。ブラッシングをしていないため。長年のほこりが床のタイルにしみついて暗い印象を受けたのである。日常清掃も専任の清掃員はおらず、管理人が行っているとのことである。一般的に管理人が一人で行える清掃業務は30戸以内で、清掃用の人数が足りない。ということは清掃が手薄か、管理人の清掃業務以外(巡回など)に手が回っていないということになる。蜘蛛の巣の跡は清掃が手薄いことを物語っている。
また、それ以外にも重要なことがわかった、ここの駐車場は建築以来機械式駐車場で、定期的なメンテナンスは行っているが、一度も交換はしていないとのことであった。機械式駐車場の耐用年数はエレベーターと同じで30年くらいである。ということは、あと数年で交換時期が来ることになり、管理費の追加徴収や増額が予想される。交換には1戸当たり100万円以上の追加負担が必要になる。この点、長期修繕計画では規定されているのだろうか気になった。
管理人との話が終わったあと、担当の宅建士と話を聞いた。
先程の懸念から、長期修繕計画や大規模修繕について説明するように求めたが、すぐに回答はなかった。
マンションのチェックを終えて、ランチを食べながら、姪・婚約者と感想を話し合った。
私は、このマンションの取得はしない方が良いと率直に自分の意見を伝えた。
理由は、今後の大規模修繕で多額の追加費用負担の可能性があること。管理費の安さを実現化するため、実質的に管理に使われている費用が少なく、将来スラム化する危険性があること、ゴミ処理など管理費に応じたサービスを受けられない可能性が高いことであった。
姪と婚約者は、私の意見を聞いてから、話し合って購入を見送りすることにしたようだ。
ランチ後、姪から、今回のマンションを購入しない場合、同じ根岸線沿線でURの空きや賃貸住宅があるので、そこに入ろうと思うが、そこの下見にも付き合ってほしいとのことだったので付き合うことにした
(続く)
マンション生活アドバイザー
HAJIME