相談をマンション管理士試験問題風にしてみた。

マンションコラム

「管理規則などでペットの規制がないマンションで蛇は飼育できるか?」

この問題には正解はないと思います。おそらく判例もないので。

マンション管理士としては、このように過去に例がない問題の相談を受ける場合が多々あると思います。この時に、正解はないと言い切らず、依頼者の立場に立って解決方法をどう示せるかが専門家としての力量ではないかと考えています。もちろん依頼者の立場に寄り添うといっても明らかな法令違反や判例違反はできませんが。

個人的な意見ですが、受験者の立場で考えるならば、この点が管理業務主任者試験とマンション管理士試験との相違のような気がしています。主任者試験では、年数とか罰金の額とか重箱の隅をつくような問題でもあきらかな正解があるが、マンション管理士試験では条文だけでは解決がつかない問題が出ると思います。特に民放関連がその傾向が強いと思います。

本件を事例に問題を作るとしたら、

正解を選べというもので、

  • 管理組合は総会の特別決議で飼育者の専有部分を飼育者がニシキヘビの飼育をやめるまで、使用禁止にできる。
  • 管理組合は総会の特別決議で飼育者の専有部分を競売できる。
  • 管理組合理事会は、飼育者へニシキヘビの飼育をやめることを請求できる。
  • 管理組合の理事会は猛禽類や猛獣類の飼育禁止の管理細則を制定できる。

この問題は、①②は、裁判所に訴訟を提起できるだけで、自ら使用禁止や競売はできません。個人の所有権に対する重大制限なので裁判所の関与が必要なのです。④は、理事会で管理細則は制定できませんね。

ということで、消去法で③が正解となりますが、明らかな正解というわけではありません。

管理組合は、区分所有者の利益を守るための諸行為をなせるが、あくまで請求であって飼育者が従わない場合は、①、②の手続きに進むことになります。

そして判例が蓄積されていくことになります。

私が、受験生の皆様に言いたいことは、単に過去問の正解を求めるのではなく、不正解の枝の理由を徹底的に考えてつぶすことだと思っています。

HAJIME

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